劇場版「ベルサイユのばら」おじさんおひとり様で観てきました!(追記あり)

劇場版「ベルサイユのばら」おじさんおひとり様で観てきました!(追記あり)

おじさんおひとり様で「ベルばら」鑑賞

先日、地元の映画館へ劇場版「ベルサイユのばら」を観に行ってきました。

朝一番の回でしたので客席は、数十人ほど。 おそらくほぼ1970年代からのベテランファンの女性。 ご夫婦もちらほら。 おひとり様おじさんは、私ともうひとり。

さて、漫画「ベルサイのばら」読んだことはないけど、名前は聞いたことがあるという世代の方も多いでしょう。

「ベルサイユのばら」と言えば、1972年、原作の池田理代子先生が24歳のときから連載がスタートし、「ベルばら」一大ブームを巻き起こし、これまで読み継がれてきた漫画。

連載、単行本(2000万部以上の売り上げ)だけでなくアニメ、宝塚歌劇による舞台(テレビで中継されているのを覚えています)など当時のエンタテインメント業界をしっかりし、少女から大人の女性まで「ベルばら」の世界に夢中になっていたのです。

1970年代の日本を代表する漫画「ベルばら」は、 2022年に50周年を迎え、展覧会など様々な企画が展開され、その総決算的な新作劇場版映画が2025年1月より公開されました。


来場特典3(マリーアントワネットの目)>

このリメイク、かなり覚悟のある作業だったただろうなと思いながらの劇場へ向かいました。

 
何かというと・・・

・漫画は10巻(10巻は外側的な内容だったのでは??違ったらごめんなさい)

・旧アニメ​​は全40話。

・ベルサイユ宮殿での贅沢な三遊びな貴族の生活、どろどろとした人間関係、アントワネットとフェルゼンの恋、そのフェルゼンに対して男性として育ったオスカルに芽生えた初めての恋。 幼馴染のアンドレが秘めたオスカルへの深く包み込むような想い。

・さらに貴族と国民の貧富の差、格差社会を直視し、その現実を知らずにいたことにうろたえるオスカルなど、かなり複雑で重層的に描かれた内容です。

原作者の池田理代子先生は、現在連載中につきマリー・アントワネット、フランスの革命のことを調べ上げており、漫画のストーリーにも歴史実が見られています。

それに加えてなんというも熱烈なファンが多く、現在まで読み継がれているからです。これが一番気になったのではないかと思います。
 
 

じっくり練り上げた原作漫画をどのような形で新しいアニメに作り上げるのかとても興味を持って見てきた感想を一言でいうと、「思った良かった」、見て損した以上とは全然思いませんでした。

もう一度見て確認したいなと思ったくらい。

旧アニメの感想でもあったベルサイユ宮殿内での人間模様は、かなりそぎ落と軽く感じました

「そうだ!見やすかった」です。良くも悪くも。

 

主要登場人物をおさらい

「ベルサイユのばら」の主要な登場人物をとりあえずさらっておくと・・・

・女性として生まれるも将軍の息子、将来男性として育てられるオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ

・オーストリアからフランスのルイ16世のもとへ入り嫁(同盟を結ぶため)するマリー・アントワネット

・オスカルの従者であり幼馴染のアンドレ・グランディエ

・アントワネットと生涯の恋人関係となるハンス・アクセル・フォン・フェルゼン

これらの主要登場人物が、18世紀後半、激動のフランスで、自由を求めて生きようとしていきます。

 

劇場版「ベルサイユのばら」ざっくりと構成紹介&感じたこと

大枠は、マリー・アントワネットの嫁入りから、バスティーユの襲撃、そしてオスカルの死までです。

その中に様々なエピソードを入れ、各パートはナレーション(黒木瞳さんが担当って豪華)によって導かれていきます。また物語の途中に登場人物が歌うミュージカルシーンが挿入され心情を表現しています。

個人的な印象として、前半がオスカル&マリーアントワネット、後半はオスカル&アンドレにスポットが当てられていたと感じました。

もう少し適当に・・・

・マリー・アントワネットの輿入れ

・オスカルが近衛隊隊長としてアントワネットの警護につく

・アントワネットとフェルゼンの恋、フェルゼンへのオスカルの想い

・ 貴族の社会と市民の暮らしの大きな差に驚くオスカル

・オスカル、近衛隊を辞める衛兵隊へ移る

・オスカル、アンドレの深い想いに気づき、結ばれる

・市民の反乱時、オスカルは自分の意思を貫き、衛兵隊を率いて市民を支援。

・本格的に革命が始まり、オスカルは市民の味方としてバスティーユ攻撃に参加、そこで銃撃される

このような流れの中でのオスカルの人物像は、よく泣き、よく悩み、思いにふける繊細な人というイメージが私には感じられ、旧アニメのもっと骨太で、適当に決めたらどんどん進んでいくという強さを前面に出してイメージからは変更があったのかなと思いました。

このあたり好き嫌い分かれますきっとよね。

わたしは、繊細でよく泣き、よく思いにふける柔らかいオスカルイメージは気にならなかったです。

ただ、「ベルサイユのばら」が大作と呼ばれるのは、贅沢な貴族社会と穏やかな暮らしに不満が一時しつつある市民社会の対立が、しっかりと深く描かれていたのに対して、今回はそのような描写が、ちょっと淡くて「ベルサイユのばら」の特徴であった歴史物語という重厚さが、すこしばかり希薄になったかなと感じました。

でも、これはもう映画の問題で仕方なかったでしょう。

貴族社会と平民の社会の圧倒的な差を描くなら映画自体を前編、続編や3部作などにするしかない・・・そうなると時間もお金も大変なことになるようななどと勝手に考えました。

今のこともあって、恋愛要素の比重が増えたのかと考えました。

 

ひとつ言えるのは、最長な歴史物語にこだわらず、人間オスカルの物語として描いた映画であった、だから「途中」映画だと私は感じたのでしょう。

それは多分多くの人にも見てもらえるような作品。

あ、でもミュージカルパートはもうひと踏ん張り待ちました。歌は声優さんが頑張って歌っていて素晴らしかったですが画面の演出がうーん?

この辺については、監督さんのインタビューを読んで、制作が長期(9年)につき、ちょうどコロナの影響下で音楽パートの制作を行っていたようで、文面からは、もっと手をかけてたかったという感想を受けました。


とまあ、色々と書いてきましたが、個人としては観て先生と思います。

1972年に連載が始まり一世風に漂った漫画が、50年を超えて現代の感覚でリメイクされたのを鑑賞するだけでも価値はあったかな。

最後に、パンフレットは読み応えあります。フランス革命の勉強になりますので。

思い出しました。上映終了時、通路を挟んだ隣の女性は泣いていました。

 

「ベルサイユのばら」特別企画

ヒルトン東京お台場では映画公開記念の特別なアフタヌーン企画が始まります。

「ベルサイユのばら」の世界観をスイーツで楽しめるスペシャル・イベント

~ベルサイユのばら スペシャルアフタヌーンティー~

登場キャラクターを模したスイーツやリボン、ティアラをあしらったケーキなどに加えてフォアグラやオマールエビなどの食材を使った宮殿の食事と思われるセイボリーが並ぶ特別な内容。料金7800円

オリジナルグッズも販売。

ヒルトン東京お台のグリロジーバー&グリルで3月21日まで。予約可能です。

 

つらつらと劇場版「ベルサイユのばら」について書きました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

*追記 もう一つ特別な企画があります。

劇場アニメ「ベルサイユのばら」×ホテルニューオータニ(東京)コラボレーション宿泊プランです。

1日2組限定のインターネット予約のみの企画。宿泊する部屋は、オスカル、アントワネットなどのキャラクターや印象的なシーンを題材にした装飾を部屋中に散りばめ、「ベルサイユのばら」の世界に没入するような演出が施されています。

またウェルカムヴォイスやホテルならではのキャラクターコラボグッズをお持ち帰りできるなど、ファンにはたまらない内容となっています。

予約はインターネッとのみです。

4/26~7/31限定の特別企画で3/8から予約スタートです。詳しくはこちらを


*公式X映画のによると、映画は公開から一か月で観客動員30万人を超え、興行収入は4億円を超えたようです。

執筆者 

青木 雅司

美術検定1級アートナビゲーター

画像の左上が私です。このような画像を時々制作しています。

アクリル絵の具を使ったマーブリングを撮影して、自分で撮った画像と組み合わせています。

昔、大阪と名古屋でラジオ局のディレクター長いことやってました。

あいちトリエンナーレ2013メンバーでした。

インスタグラム

 

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